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教えて、先生!

No.027テレビやビデオの刺激は脳科学の観点からはどんな問題がありますか?

Q.

テレビから学ぶこともあると聞いたのですが、テレビやビデオの刺激はいけないのですか?

教えてくれるのは>>>成田 奈緒子先生(文教大学教育学部教授・小児科専門医)

A.

脳科学の観点からは、刺激の強さや夜間の光の刺激という点が問題になります。また、テレビで見るだけでなく音、匂い、味、触り心地など五感から入るいろいろな刺激を受けられるよう、できるだけ本物にふれることを大切にしてください。

もちろん、テレビやビデオは子供たちにとって学びとなる要素もたくさんあります。見たことがない飛行機やロケットや動物たちが見られたり、同じ年頃の子供たちが登場して関わる場面を見せることで感情移入ができて、情操教育としての役割も期待できます。

ただ、脳科学の観点からいうと、いくつか問題になる点もあります。

まず、テレビから目に入ってくる光は、自然な光にくらべると、大変強い刺激になります。特に発達中の子供では、目から入ってくる太陽の光刺激によって、脳内の一日のサイクルをしっかり作り上げている最中です。特に夜間にテレビからの光刺激を入れすぎると睡眠と目覚めのサイクルが脳の中に作られにくくなってしまいます。

次に、子供は、周りの親しい大人たちの仕草を見るときに自分の脳も働かせることで刺激を受け、脳細胞をつなげていくのですが、これがテレビに映っている人の動きだとあまり反応しないことがわかっています。

さらに、テレビで見た飛行機では、その大きさや音、匂いなど他の五感から入る刺激が伴っていないため、実体として認知しているわけではありません。

加えて、食事の時にテレビがついていると、強い光の刺激に負けて、食べ物の匂いや味など大切な刺激が入りにくくなってしまいます。

テレビは、食事中は避けて時間と番組を選んで見せるようにし、なるべく本物の人や飛行機、動物とのふれあいの機会も多く持つようにすることが大切ですね。

★ほん・本・ごほんの番外編★

都立多摩図書館から、テーマに関連する絵本を紹介します。お近くの図書館で探してみてくださいね。

かいじゅうたちのいるところ

『かいじゅうたちのいるところ』

モーリス・センダック作 神宮輝夫訳 冨山房

マックスは船に乗って昼も夜も航海して、やってきたのは、かいじゅうたちのいるところ。かいじゅうたちは、大きな声でほえて、すごい爪をむき出しましたが、マックスは「かいじゅうならし」の魔法を使って、とうとうみんなの王様になりました。遊びこそが、子供を遠い世界へ連れて行ってくれると教えてくれる絵本です。

※「ほん・本・ごほん」本編は、「都立図書館 こどもページ」にあります。

成田 奈緒子先生のプロフィール

成田 奈緒子先生(文教大学教育学部教授・小児科専門医)

発達脳科学の研究と、小児科専門医としての臨床の経験をもとに、心と脳の発達の観点から、早起き・早寝や食、運動など生活習慣確立のための調査研究や、講演会などの啓発活動を全国的に行っている。

主な著書
「脳の進化で子どもが育つ」(芽ばえ社)、
「脳と心の子育て」(ブレーン出版)、
「5歳までに決まる!才能をグングン引出す脳の鍛え方 育て方」(すばる舎)ほか。

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